第2章 1月。
惨敗だったのに誰よりも大きな声で応援してる唯を見て、好きだって気づいた。俺のこともこんな風に真っ直ぐ想って欲しいって思った。
だけどいつまで経っても唯の一番はサッカー部で……俺は、唯の一番にはなれないのか?」
サッカー部がなかった北高で同好会を作った三年生。引退前にどうしても試合をさせてあげたくて、私は南校の監督に頼みに行ったんだ。
何度頼んでも断られて落ち込んでた時、突然南高から練習試合の申し込みが来た。あれ、新一くんのおかげだったんだ。
私はゆっくり新一君の背中に手を回した。大きくて届かない、でも届けたい。
「……好きだよ。サッカー部は大切だけど新一君を想う気持ちとは違う。私ばっかり新一君のこと好きだと思ってずっと不安だったの。どうして私の事なんて好きになってくれたのかわからなくて、いつか振られちゃうんじゃないかってこれ以上好きにならないようにしてた。
それなのに……そんな気持ち聞いちゃったら、もう止められないよ」
屈んだ彼に身長差は消されて、柔らかい唇が重なった。