第7章 6月。
……あれから3時間。
私はずっと膝を抱えて座り込んでいた。
達也くんが好き。
だから今まで我慢してきた。
エッチの相性は合わなくても、エッチでいくなんてことできなくても、達也くんといたかったのに。
それを我慢だなんて思ってたのがダメだったの……?
もう、会いに来てくれないの……?
涙って、枯れることなんてないのかもしれない。
いつの間にか窓を打ち付ける雨と一緒で、私の涙も止まらない。
ぼんやりする頭でガチャリという音を聞いたような気がした。
「雨で試合中止だっての。行って損したぜ」
いつもの声のトーンに、朝の出来事は夢だったのかと思った。
前髪から雫を足らした達也くんが、私の前にしゃがんでおでこを合わせる。
「バカ。ずっと泣いてたのかよ。
……ごめん、な」