第6章 5月。
本気で7年も、私のこと想ってたの……?
思わず緩んじゃいそうになる頬を引き締める。
そんなわけないってば。
「そのわりには、随分女の扱いに慣れてたけど?」
疑いの眼差しで睨んだら、明らかに動揺して言い訳を並べ立て始めた。
「だって唯さん。童貞の中学生襲っちゃう人だよ。満足させてあげなかったら振り向いてくれないと思って。でも大丈夫。ちゃんと本命がいるから練習台なんだけどって言って……って、こういうことは言っちゃまずい?……と、とにかく俺は唯さんだけが好きなんだ」
ばか正直なとこは、変わってないんだ。
「……ふーん」