第6章 5月。
「あのさ、あの時話した大学の科学研究室、4月から入れることになったんだ。覚えてる?」
覚えてる。だって星夜の目、眩しいくらい真っ直ぐだったもん。
「うん。良かったね」
「ありがとう。俺、一途なんだよ。研究にも、唯さんにも。ねぇ……信じて」
耳もとで囁かれたと思ったら、有無を言わせないキスが始まる。まだまだ成長の余地がありそうな星夜を、しばらく見てるのも悪くないか。
20歳になった星夜と一緒に、私も大人になる。来年はもしかしたら一緒に星空を見上げてるのかもしれない。
「唯さん。好きだよ」
今日何度めかの甘い言葉に包まれながら、私たちは7年分のキスを交わした。