第6章 5月。
二人で達して、汗ばんだ身体をベッドに預ける。星夜も大の字になって転がった。
「唯さん、好きだよ」
快感の余韻を楽しんでいた私に、また甘い言葉が振りかかる。
「嘘。随分変わっちゃって、気まぐれでしょ?」私は呟いた。
「……ストーカーって言われたら困るんだけど。
18でこっちに来て、唯さんに会いたくて何度か来てたんだ。でも手を繋いで帰ってくる二人を見て調べたらそういう関係だし、止めたかったけど子どものくせにとか言われるんだろうなーって思って、20になるの待ってた……邪魔は、したけど」
気まずいそうに目を逸らす星夜。ここ一年くらい、正木さん妙に怯えてた。それって星夜のせい?
「奥さんにばらしたの?」
「まさか。あいつには別れなきゃばらすよって言ったけど、奥さんには何もしてない。それは二人の問題だろ。俺は、唯さんと別れてくれさえすれば良かったから」