第2章 1月。
朝から何度もスマホをタップしてはため息をつく。1月も終わりに近づいた今日は、新一君の推薦入試の発表がある。
授業中だというのも忘れてやきもきしていたら、やっと画面にSNSの到着が知らされた。
「受かったよ」という文字と明るいスタンプに、胸をなで下ろして「おめでとう」と返事する。
しばらく間を置いて、「今日、会いたい。部活、休めない?」という文字が視界に入った。
新一君がこんなこと言うなんて珍しいな。でも部活休むなんて無理だし……。
悩んだ末画面に触れる。
「部活終わったらすぐ会いに行くね」
暗くなった画面を見ていると、ふいに私の心は暗くなった。「おめでとう」って送ったけど私本当にそう思ってる?
新一君のことは勿論大好きで、だけど時々堪らなく不安になる。
彼は一体私のどこが好きなの?
いつも優しい新一君は、きっと誰にでも優しい。
頭のいい人が揃う有名大学。そんな場所でも、なんの取り柄もない私のことをずっと好きでいてくれるの?