第5章 4月。
「あっ……はぁっ、あっ……」
痛みは変わらないけど、前への刺激に中和される気がする。頭が痺れて演技なのかよくわからないけど、甘い声が漏れる。
彼はふふっと笑って動きを早め始めた。
「よさそうだね」
痛みと快感が入り交じって私の体は溶けて無くなっちゃいそう。無くなっちゃえばいいのに。
そうすれば、この気持ちも無くなるのかな。泡のように弾けてなくなってしまえばいい。
「俺、もういっちゃうよ……はぁっ、はぁっ……いくっ……」
頭が真っ白になる。息苦しくて……限界……。
「私も……あっ、あっ……お……ちゃん…………」
「はぁ……はぁ……」
脱力状態の彼に覆われて、押し潰されそう。
彼の動きが激しすぎて、最後は自分で何を言ってるのかもわからなかった。
絶対に許されないことだとは解っていても、処女だけは彼に捧げたかった。
この先誰とセックスしてもこの痛みだけは忘れない。
口には出せないけれど、あなたが……大好きです。
心の中で唱えて目をつむる。
繋がったまま肩で息をしていた彼が、突然両手をついて起き上がった。