第4章 3月。
太ももにかかる彼の重みと、ブレザーにかかった手に思わず身体が強張る。賢一さんなのに、こうされることを望んでいたのに……やっぱりこわい……。
ぎゅっと目をつぶった私に優しいキスをくれた後、賢一さんは「震えてるね。怖いの?」と穏やかな声で尋ねた。
「そんなこと、ないです」
怖くないなんて嘘だけど、それでも賢一さんに抱かれたい。彼が他の人を抱くより怖いことなんて、今の私にはないの。
「待ってあげたいけど、俺も限界なんだ。唯が欲しくて堪らない。君が心を開いてくれるまでいくらでも待てると思ったけど、もう……我慢できそうにない」
耳にかかる吐息が甘い。本当に食べられちゃうんじゃないかと思うくらい美味しそうに味わって、艶めかしい瞳が私を捉える。
くすぐったいような甘すぎる快感に頭は痺れて、「私も、賢一のものになりたい」小さく呟いた。
耳から首筋をなぞる舌。片手で簡単にボタンは外されて、気が付くと私を守るものは下着しかなくなっていた。