第3章 2月。
「これ、以上はっ、お願っ、も、無理っ……」
息も絶え絶えな彼女がもう一度達したのを確認して、俺は指をゆっくりと抜いた。指に腹がしわになるほどに濡れているのを目にして驚く。
すごいな。女ってマジで何回もいけるんだな。俺は一回で眠くて仕方なくなるのに。ってか、俺もう限界、かも……。
股間の疼きが痛いくらいで、排出欲に支配されて片手で自分のモノを握る。
好きな女が目の前にいるのに、自分で処理するなんてマジで情けねー。でも耐えられねーよ。
「ごめん、唯っ、俺出さないと無理っ……こっち、見んなよっ」
強く手で擦ってティッシュで包むと、背中から頭のてっぺんまで電気が走って強い脱力感が襲ってきた。出した後に残るもんは虚しさだけだ。
背中に聞こえる笑い声に情けなさが募って、俺は力を失った息子を手早く拭いてパンツを履いた。
「本当に我慢したんだ」
「唯が嫌だって言うんだから、仕方ねーだろ」
口にすればするほどに情けない。唯も完全に俺の事を馬鹿にしてるんだろう。
これから毎回こうなるのか?
唯が指だけじゃ満足出来なくなったらおもちゃなんか用意して、毎回ご奉仕した後俺は一人でシコシコ……。
それも悪くないか。
自嘲気味に笑ったら、いたずらっ子みたいな瞳が近づいてきた。