第12章 11月。
「平日の休みが取れたから、二人で出掛けようか」
彼の腕枕に包まれながらまどろんでいたら、ふいに彼が呟いた。
平日に出掛けられるなんて初めて。
真面目な大学生ではない私は、瞬時に講義を休むことに決めた。
でも……1回目のセックスからずっと気になっていることがあるけど、口には出せない。
もっと親しくなれば言えるのかな。
でも、もっと親しくなれるのかな……私たち。
0㎝の距離で触れあっているのに、ひどく彼が遠く感じる。
「ねぇ、圭二さんは私の事好き?」
「もちろん」
「じゃあどうして……」
「ん?」
一呼吸置いて私は、「何でもない」と続けた。
何か言いたそうな顔をしてるけど圭二さんは口をつむっていた。
どうして私とのセックスで、いかないの……?