第11章 10月。
「達也くんが好きだって、言いたかっただけなのに!」
言っちゃった……。
こんな状況で告白とか、ありえないでしょ。
恥ずかしいところ散々見られて、淫乱女だと思われて……。目も合わせられない。
すっきりとは程遠いけど、もういい。
気持ちは伝えられたんだから、もう逃げても……いいよね。
穴があったら入りたい気持ちでベッドの端の下着を取り上げて脚を通す。目を伏せたまま通り過ぎようとしたら、今度は手首が達也くんに捕まった。
「言い逃げは、許さない」
厳しい言葉とは裏腹に私を抱き締める腕は優しい。
強く抵抗すればすぐに逃げられるのに、私の身体は硬直したままだ。