第11章 10月。
お母さん同士の付き合いもあって敬遠されてるのか、達也くんは私に連絡先も住んでいる場所も教えてはくれない。
何度か探しに行ったけど大学は広すぎて会えなかったし、もうこれしかチャンスはないんだ。
小学校からの付き合いの遥は派手な美人で遊び人。
「若いうちに散々チヤホヤされて、25になったら落ち着いて結婚するの」なんて言っちゃう彼女は、本当にその通りになりそうな雰囲気がある。
「私の服貸してあげる。うんうん、似合う。
変な男にやられないように頑張ってね」
面白がって貸してくれた服は、脚を組んだだけでパンツが見えちゃうような黒いミニワンピース。
レースたっぷりでフリフリで、ワンピースというより下着に分類されそう。
頭に飾りをつけたら、小悪魔、になるらしい。
ものすごく恥ずかしいけどもう仕方ない。
上からコートを羽織って、私は会場に向かった。