第11章 10月。
ハ……ハロウィンパーティー。
「そう、行く?
あんたの大好きな、達也くん来るよ。
達也くんにたどり着けるかが、まず問題だけど」
ふふ、と笑って友達の遥はチケットをヒラヒラさせる。
ハロウィンパーティーとは名ばかりで、いわゆる乱交パーティー……だってことは解ってる。
それでも私は「行くっ!」とチケットをひったくった。
幼なじみだった達也くん。
小学校まではずっと一緒にいた。
私は彼の事が好きだったけど、中学校で派手な友達と遊ぶようになって、私とは遊ばなくなった。
大学生になった今はお互い一人暮らしで、ほとんど会うこともない。
偏差値が高くて有名な大学に入ったとは聞いたけど、遊び人なのは変わらないって噂。顔面の偏差値も高い彼は、女の子に不自由はしない。
だけど、私は未だに達也くんが好き。
きちんと気持ちを伝なきゃ、21歳になった今も他の人との恋愛に踏み出せない。