第10章 9月。
愛しあった後は気持ちいい脱力感に覆われて、星夜の腕の中に収まる。ここが私の居場所だなつて、心から思う。
「……5歳くらいまでは、頻繁に変身してたんだ。そのせいで田舎に引きこもってたし。本当に色々苦労させると思うけど……それでも……俺と、結婚して欲しい」
星夜が側にいてくれるなら、私はどんな苦労だって乗り越えられる。いつかは増えた家族と一緒に、お月見だってしてみせる。
「はい。よろしくお願いします……んっ」
重なった唇の中には牙はなくて、つるつるの歯を舌で確認する。
変身しちゃうくらい星夜を興奮させられるのは私だけ。
……満月の日のエッチだけは、気をつけなくちゃね。