第10章 9月。
迷っているみたいに小さく引っ込んだ後、私の一方的なキスに星夜の舌が応える。酸欠になりそうなくらい深い口付けの後、星夜が言い切った。
「唯が俺を信じてくれるなら、俺も自分を信じる」
「うん」
頷いた私の肩口に温かいものが触れる。くすぐったくて、私は身体を震わせた。
「ここ、ごめんな……んっ……」
爪痕で赤くなった部分を丁寧に舐められて、背中がぞくりとする。「もう絶対に傷つけないから……はぁっ、大切に、するからっ……」
念入りに舌を這わせて、傷を治そうとしてくれてるみたい。
その気持ちが心地よくて、星夜はそんなつもりじゃないのに身体の奥が疼いて、別のところを舐めて欲しいって、気持ち良くなりたいって、恥ずかしいこと考えちゃう。