第10章 9月。
甘い声が口から勝手に飛び出す。「あっ……あっんっ、星夜……」温泉ゆっくり入ってから、なんて考えは吹き飛んで、私の身体はもっと強い刺激を欲しがってる。
星夜の指を呑み込みたがってる入り口は、その期待に応えてくれない手のひらに弄られてひくつく。「もっと……」思わず声が漏れた。
「もっと、どうして欲しい?」
「……んんっ」
解ってるくせに……。
気付かないふりをして星夜の掌は同じ動きを繰り返す。だんだん自分から腰を押し付けてしまって、「お願い、指……入れて……」切羽詰まった声を出してしまう。
もう気持ちよくなることしか考えられないよ。
横顔しか見えない星夜の口の端は上がってる。
彼の指は奥まで突っ込んでかき混ぜた後、すぐに抜かれた。