第9章 8月。
「いつの間にか唯に本気で惚れてて、でもそんなこと言えなかった。唯はずっと、兄貴に惚れてて欲しいと思った。
兄貴の生きる希望だったから。
だけど……兄貴はもういない。
ずっと兄貴を想ってるなら、心はなくてもいいから。俺の側にいて」
私を組み敷いて腰を押しつけてくる動きは少し乱暴で、でも丁寧で、弱い場所を的確に刺激してくる。
わざと締め付けると「あっ……」て甘えた声が漏れる。
可愛い。
「好きっ……」
呟いてキスをねだったら、もう離れることはないんじゃないかって思うくらい唇が吸い付いてくる。