第9章 8月。
「んっ、あっ、充くんっ、好きっ……」
ホテルの部屋で、充くんと愛し合う。
充くんは私の中を自分のものでかき混ぜて、呆けてしまいそうな快感を注ぎ込む。
炎天下の下で渡された手紙には、乱れた字でこう書かれてあった。
「優、唯を頼む」
充くんは、どういう想いでこう書いたの?
優くんは、どういう想いでこれを受け取ったの?
弟が私を抱いていることを知ってて、二人のことを許してた。知らなかったとはいえ、私は優くんに抱かれてた。
本当は気づいて欲しいと思ってた?
私は気づいてあげられなかった。
私が恋したのは……どっち?