第4章 束の間の休息
「さて、そろそろみんなが目を覚ます頃じゃないかな」
「あいつらが起きたら、色々説明しなきゃなんねーなぁ…」
「嫌なのかい?」
「いや、嫌っつーか……、話したらきっと傷つくだろ。特に秋田なんかは、顕現して数日しかたってないのに」
「それでも、彼らは説明されない方が傷つくよ」
「…わかってる」
当事者である彼らに説明しないなどという選択肢はない。
それでも、矢張り話しづらいことではあった。
出そうになるため息をぐっと飲み込んで、気分を紛らわすようにお茶を流す。
「主、全員が目を覚ました」
「ほねばみ」
呪いのかかっていたもの達を見ていてくれていた骨喰藤四郎が、大広間にやってきてそう言った。
男はそれに重い腰を上げる。
「行くのかい?」
「後延ばしにはできない事案だし」
「そう。…確か手入れ部屋には青江もいるんだったね」
「ああ、骨喰と見ててくれてる」
「なら、呪いで分からない部分があれば青江に聞くといい。彼も詳しいから」
「石切丸は?」
「私は待っているよ」
「分かった。…行こうか、骨喰」
頷く骨喰を連れて、男は手入れ部屋へと向かった。