• テキストサイズ

とうらぶっ☆続

第1章 契り



「おはよう、つる」

男が返せば、鶴丸国永は髪を撫でる手を止め額にキスを落とした。

「目元がまだ少し赤いな。声も掠れてる」

ひとつひとつ、そのささくれ一つすらない指先でなぞって確認していく。

「水と白湯を持ってきてやる。初めてなのに、無理させてしまったからな」

手の甲で頬に触れられて、男はその手に擦り寄る。
大丈夫なのに、全く彼は心配性だ。
男は暫く鶴丸国永とじゃれ合うことで覚醒してきた意識で、そんなことを思う。

「だいじょうぶだって。もうすぐ朝餉だろうし、俺もいっしょに大広間にいく」

男がそう言えば、鶴丸国永はダメだといつもより神妙に言った。

「今は寝てるから平気だろうが、たぶん、君立てないぞ」

言われて気づく。
確かに、腰から下が鈍い痛みを持っている。

「それに、くり坊や和泉守には刺激が強い」

ん?
男はなんのことだか分からず、首を傾げた。
鶴丸国永は最年少と、意外と初な刀剣を頭に浮かべてひとりでに深く頷いた。
…本音はと言えば、ただこの主の色気だだ漏れの姿を見せたくないだけなのだが。

「まあ、つるが言うならしばらくは大人しくしてる」
「そうしてくれ。朝餉もここでとるか?ここで食べるなら持ってくるが」
「うん、ありがとう」

男が礼を言えば鶴丸国永は寝いる間に乱れた裾除けを正し、男の頭をくしゃりと適当にあしらってから「待ってな」と言い残し部屋を出て行った。

/ 290ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp