• テキストサイズ

とうらぶっ☆続

第2章 審神者見習い



「仲、いいんですね」

ぴ、とバーコードを読み取りながら、女性は言った。
その顔はなぜか楽しそうだ。

「まあ、俺が頼りないんで」

それに苦笑いしながら答えれば、女性は首を振る。

「私、大倶利伽羅を連れてくる審神者はよく見るんですけど、あんな風に大倶利伽羅が応えるのって初めて見ました。きっと信頼されてるんですね」

信頼。
女性の言葉に、男は一瞬フリーズした。

そして時間差でやってくるのは、誇らしい気持ちと嬉しい気持ちとが綯い交ぜになったような昂揚感。
他の大倶利伽羅が無愛想だから信頼していないわけではないことは分かっているが、それでもこんな風に言われるのは嬉しいものだ。

店員が言う値段にお金を払い、お釣りを貰うってから大倶利伽羅がいる所へ行く。
そこには五虎退と平野藤四郎もちゃんといて、手にはそれぞれカルタと風車が握られていた。

「おお!それにしたのか」
「主さま!」
「そういやカルタもやったことねーもんなぁ。風車もうちにはねーし」
「主君は、カルタをやったことがあるんですか?」
「ガキん頃にちょっとだけ」
「主さまも一緒にしましょうね」
「おう、大倶利伽羅も一緒にしてくれるってよ」
「は?」
「ほら、自分で買ってこれるか?」
「はい!」
「もちろんです!」

男を足でげしげしとゆるく攻撃してくる大倶利伽羅を無視して、男はふたりにお金を渡しその様子を見守る。
まるで初めてのお使いを見守る親のような気分だ。

/ 290ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp