第2章 審神者見習い
「あの、それより…」
「ん?どうした?」
柚子の呼びかけに、三日月宗近が応じる。
どうやら主より一回り程幼いこの見習いを、三日月宗近は世話を焼いてやりたいようだった。
「えっと、雪さんは…」
柚子が口にした聞き慣れない単語に、にっかり青江以外の刀剣が首を傾げた。
「せつさん…?」
思わず聞き返した燭台切光忠に、にっかり青江が答える。
「主の審神者名だよ。雪と書いてセツ」
「そうなんだ。僕初めて聞いたな」
「俺もだ」
「知っている者は少ないんじゃないかな。僕ら刀剣男士には主の審神者名が何であろうが関係ないことだからね」
「それもそうだな」
「……おい、見習いが困ってるぜ」
三口が口々に話してしまったのですっかり内容へいけなくなった柚子に、和泉守兼定が助け舟を出す。
柚子は礼を一つ言うと、謝る三口に首を振った。
それから先の言葉の続きを口にする。