第2章 審神者見習い
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宴もいよいよ終盤になった頃。
短刀や蛍丸はすでに床に着いており、そこは酔っ払いの会となっていた。
自室へ戻り眠った刀剣男士も幾らかいるが、その場で潰れているものも幾らかいる。
本日の主役である柚子はというと、隣でにこにこと芋焼酎を嗜む三日月宗近に捕まっていた。周りには燭台切光忠やにっかり青江、和泉守兼定がいる。
その場はひどいものだった。
潰されたへし切長谷部と大倶利伽羅、山姥切国広が死屍累々と転がり、自ら潰れた一期一振や鯰尾藤四郎が一升瓶を抱えたまま眠っている。
畳には酒やつまみのカスが散らばっており、歌仙兼定がこの惨状を見たならば発狂したのちブチ切れること間違いない。
柚子は片付けた方がいいのでは、と腰を上げようとするのだが、その度に君はあくまで客人なのだからと燭台切光忠や三日月宗近に宥められてしまう。