第2章 審神者見習い
「審神者見習いの柚子です。まだまだ至らない点もありますが、これから一ヶ月お世話になります。よろしくお願いしますね」
丁寧に頭を下げると、刀剣男士たちからは歓迎の拍手があがった。
男は拍手が止むのを待ってから、再び口を開く。
「柚子ちゃんの世話係兼サポーターは国広と長谷部に任せる。もちろん、他の皆も困ったことがあれば、助けてあげてほしい。…と、まあ、堅っ苦しいのはこの辺にしといて、柚子ちゃんと話したいやつはいっぱいいるだろうし、俺がずっと隣っていうのも鯰尾からクレーム来たから、好きに席移動してもらって構わない。よな、歌仙」
「普段なら行儀が悪いって言うところだけど、今日くらいはね」
「というわけだから、俺はしばらく鶴丸の隣に座ってるわ」
男はそう言うや否や、自身の小皿と箸を手に先程まで鯰尾藤四郎がいた席へと移動した。
それを皮切りに鯰尾藤四郎を始め、短刀たちや蛍丸、燭台切光忠が柚子のそばへと行く。
その光景を見守りながら、男はどかりと鶴丸国永の横へ腰を下ろし、食事を再開した。