第2章 審神者見習い
「はい、早く食べないと他のやつらが全部食べちまうから」
「ありがとうございます」
「どーいたしまして」
柚子が受け取り、口に運ぶまでの一連の動作を男は見守る。
柚子の顔が花が咲くように明るくなって、目を輝かせるのを見ると、男は得意気に笑った。
「うまいだろ?」
男の問いかけに、柚子は口の中のものを飲み込むとこくこくと首縦にふる。
「ここに置いてある料理な、ぜーんぶ刀剣男士が作ってくれてんだ。俺のところは、俺が料理できないってのもあるんだけど、堀川と光忠と歌仙が普段から料理してくれてる。あ、刀剣男士の顔と名前ってわかる?」
「いえ、刀剣男士個々については習わないので…」
「そうなんだ?じゃあちょっとずつ覚えて行けばいいよ。もう少し落ち着いたら柚子ちゃんの紹介もちゃんとするから」
「はい」