第12章 硝煙
白城の言うことは最もだ。男だって分かってはいる。
ただどうしても、悪いイメージというものは付きまとってしまう。
ちょうど男の世代が拉致まがいなことをされ問題になっていたから、余計になんだろう。
けれど時間が経つうちに分かってきたこともあった。
すべてが手探り状態の中、政府は歴史が改変されないよう審神者たちに指示を出さなければならない。
それだけで済むはずもなく、想定外の問題の対処や審神者と刀剣男士間でのいざこざなど、やることは山積み。
彼らは彼らで、どうにかしようと働いているのだ。
「彼女の目的がお前のいる本丸を壊滅することと分かった時には、すでに手遅れだった。本丸が襲撃された日だな。それからおれが直ぐにでも動ければよかったんだが、そうもいかなくなった。彼女の素性を調べるためとはいえ、歴史の往復をかなり繰り返したから、その時代を検非違使がかなりの数徘徊するようになって後始末に追われていた。これだけならよかったんだが、一番の問題は彼女自身が何度も歴史を往復し、あろうことかその時代に干渉していたことだ」