第12章 硝煙
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四日後。
無事、刀剣男士たちは倒さなくてはならないとされていた歴史修正主義者を倒し、改正されていた歴史は元に戻った。
男や刀剣男士の中には存在している柚子やその妹は、しかし現世に於いては誰の認識の中からも消えていた。
出陣に出ていたのは山姥切国広を部隊長に、乱藤四郎、加州清光、鶴丸国永、三日月宗近、石切丸の六振りである。
近侍である平野藤四郎と緊張しながら帰ってきた六振りを迎えると、加州清光が男に抱きついて言った。「勝ったよ」と。
へへ、と小さな笑い声が男の耳を擽る。
男は加州清光の頭をくしゃくしゃに撫でてやってから、出陣に出ていた刀剣男士たちを労った。