第12章 硝煙
「それで、これからのことですが、暫くの間は見習い制度を休止する予定です」
「……そう、ですか」
「凹むな凹むな。お前さんのせいじゃねぇぞ」
「えぇ、なにも今回のことだけではないのです。実は見習い制度を開始してから、諸問題が各本丸で起きておりまして、このまま進めていくのはどうかという結論になったのです。だからと言って、この制度を廃止するのもどうなんだという声もないわけでもなく…」
「とどのつまり、制度のあり方を見直した後、この制度を再始動させようってこった」
「はい。なので、その折にはどうかまたご協力願えればと」
「そういうことでしたら、勿論」
「ありがとうございます。また、今回のことで何か気になったことや気づいたことがあれば、こんのすけに伝えて頂ければ幸いです。これからの参考にさせていただきたいと思っておりますので」
「分かりました」
いくつかの質問と説明を受けていれば、どうやら辺りを視察していたらしい役人数人が彼女の元へ集まってきた。やるべきことは終えたらしい。
「では、私どもはこれにて失礼致します。今回の件は、こちらの調査不足でもありました。大変申し訳ございません。上からの許可は降りておりますので、彼女の遺体は雪様のご希望通りそちらで供養の方をお願いします。必要なものや場所がございましたら、またなんなりとお申し付けください。必要経費はこちらで請け負います」
「助かります」
「長々とお時間を頂戴し、すいません。こちらの方でも調査結果が出ましたら、報告させていただきます。失礼致します」
懇切丁寧に締めくくり、政府の役人は再びゲートをくぐり帰っていった。
長々と、と言っていただけあって、まぁそりゃあ長かった。というよりは、今日という一日がとにかく長かった。