第11章 閑話休題:告白
カチャ、と音がする
刀を鞘から取り出す音だ。
「最後にひとつ、あなたにお願いがあります」
「……なんだ?」
「妹が、いるんです。まだ十にもなってない。妹はなにも知らないで、ひとりで私の帰りを待ってる」
私の家族。どうしても守ってあげたかった存在。
「どうか、妹をころしてあげて下さい」
それが、姉である私が妹にできる最後のことだと思うから。
「分かった。必ず」
「ありがとう」
もう、怖いものはなにもなかった。
大切で大事な、失いたくない可愛い私の妹。ほんの少しの間、この世界にひとりぼっちにしてごめんね。大丈夫、すぐ、一緒になれるよ。
小さな妹を思って、目を瞑った。