第8章 反撃の烽火
「追手がゲートをくぐってる、封鎖して破壊することはできるか?」
「破壊することはできません。封鎖することは可能ですが、その追手というのは、」
「審神者見習いだった柚子だ」
「でしたら本丸の座標が特定されているので、無意味かと。政府の対応も遅れるので、封鎖は得策ではないでしょう」
「応戦が一番だと?」
「はい。政府への応援を要請しましょう」
「分かった。平野!」
こんのすけと今できる対応を確認し終えると、今度は平野藤四郎へと指示を出すべく声を張る。
平野藤四郎は驚きを呑み込んで、男の指示を聴き逃すまいと緊張感を身に纏わせた。
「全員に通達だ、直ちに戦闘準備を!もうすぐ追手が本丸へと乗り込んでくる」
「承知しました」
「念のため、お守りを装備するよう伝えてくれ」
「はい、直ぐに!」
平野藤四郎はそう返事をすると、命を実行すべく駆け出した。
男は今のうちにと、ようやく地面から身体を起こし五虎退へと手をかざした。
応急処置を施し、同じように虎五匹にも簡単にではあるが治癒術を施す。