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とうらぶっ☆続

第8章 反撃の烽火



「こんのすけ、政府への連絡を頼む。それが終わり次第、手伝い札の調達を」
「了解です、お任せを!」

どろん、と再びこんのすけは煙を巻いて消えた。
政府の優秀な使いだ、すぐに用を済ませ戻ってきてくれるだろう。

「あるじさま!ぶじですか!」

そうこうしているうちに、素早く戦闘準備を終えた今剣を筆頭に、短刀たちが姿を現した。

「おれと五虎退は無事だ!それより…」

「来るぞ!」

男よりいち早く穢れと殺気を察した刀剣男士が叫ぶ。へし切長谷部だった。
その声が合図とでもいうように、ゲートからは柚子が率いる歴史修正主義者が次々と本丸へと足を踏み入れる。
数はざっと五十程か。
単純計算でいけば、一振が二体から三体相手しなければならない。

ただならぬ緊張感が本丸を包む。
男は五虎退を抱きかかえると、歌仙兼定のそばへと寄った。

対峙する柚子は、見習いの頃の面影など一切感じさせない。
どこまでも憎悪に満ちた瞳でこちらを睨むその様は、失うことを知っている瞳だと男は直感的に思った。

だがらと言って、もうどうすることもできない。

互いが互いに間合いを図る。
今か今かと、その瞬間を待ちわびているようにも感じる。
かち、と鯉口が切られる音。す、と鞘から刀が抜かれる音。ぶん、と空気を斬る音。

一瞬静寂。

そして。

「行け」

少女のその言葉が、戦闘の合図だった。

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