第7章 相まみえる
一頻り泣いた後、二人は縁側に腰掛けて笑いあった。
「あっはは、大将、ぶっさいくな面してるぜ」
「うるせー。言っとくけど、薬研もだからな」
「そりゃ違いねぇ。二人して男前が台無しだな」
お互い、ひどい顔をしている。
目は真っ赤だし、すすりすぎて鼻も赤い。擦ったせいでなんだか頬すらもうっすらと赤らんでいる。
瞼は熱を持っているし、鏡を見なくても自分がどんな顔をしているのかなんて、相手の顔を見れば想像に難なくない。
けれど、そこに暗さなどは一ミリもなかった。
すっきりしたような、晴れやかな気持ちですらあった。
男は、恐る恐る切り出す。
「薬研は、ずっとここに?」
「うーん、まぁ…、大将のそばにはずっといたぜ?」
「え、そうなの」
「いやー、大将のことが心配でなぁ。どこにも行けなかったんだ。こういうの、未練っつーのか…、まぁ、細かいことはどうでもいいんだけど」
「そっかぁ…」
薬研は、ずっと、俺のそばにいてくれたんだな。
嬉しくて、顔が緩む。