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とうらぶっ☆続

第6章 閑話休題:大倶利伽羅



「きみは、主が帰ってこないと?」
「なら逆に聞くぜ。石切丸、あんたは主が無事に帰ってくるっていうのかい?」
「ああ、もちろんだ。主のことは信じているからね。鶴丸だって、そうだろう」

今度ばかりは、鶴丸国永も口をつぐんだ。
マイペースで、どこかほけほけしているように思える石切丸だが、こういう時に必要な言葉は間違えない。それが、大倶利伽羅が石切丸に抱くイメージだった。

「あんた、主は俺を無視できないと言ったな」

ゆっくりと立ち上がりながら、山姥切国広が言った。

「言ったとも」

鶴丸国永は、依然、態度を変えずに対峙する。

「それは、俺だけじゃない」
「そんなのは、きみがそう思っているだけだろう」
「ちがう。事実だ」

山姥切国広の言葉には力があった。故に、誰もが彼の言葉に耳を傾ける。
卑屈さは未だに抜けないが、やるときはやる奴。山姥切国広とは、そういう刀だ。

「あんただって、主を止める術を持っていたはずだ。強制的に止めようと思えば、止められたはずだ」

その言葉に、鶴丸の眉がぴくりと動く。
図星だった。

「でも、止められなかったろう。止めなかったんだろう。そういうあんただって、俺と同じさ!」

今度は、山姥切国広が吠える番だった。

「あいつを止められるっていうんなら、止めてくれ!でも、できないだろ!誰にも俺にも、主は止められない!」

山姥切国広は、更に続ける。

「…なぁ、あんたらの中に一振りでも、主に直接言ったやつがいたか?行くな、行かないでくれと、本気で止めようとしたやつがいたか?真名を暴き縛ってまで、脚の腱を斬ってまで、止めようとしたやつがいたか?」

大倶利伽羅はあたりを見回した。
刀たちは視線を山姥切国広に、鶴丸国永に、あるいは地面を見つめるようにうろつかせていた。

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