第4章 束の間の休息
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その日の晩、男は山姥切国広の部屋へ訪れていた。
そこには大倶利伽羅、にっかり青江、そして和泉守兼定もいる。
「それで?話ってなんだ」
山姥切国広がそう切り出せば、男は気まずそうに視線を彷徨わせた。
そんな男に、にっかり青江は苦笑いを浮かべながら言う。
「…まぁ、この顔ぶれを見れば何となく内容は予想つくけどねぇ」
「ああ、まぁ、そうだよな…。うん、多分お前らの考えてることであってるんだけど…」
どうにも言い出しづらくて助け舟を求めるように彼らを見れば、イライラした様子の大倶利伽羅に蹴られた。割と手加減なしで入れられたその蹴りは、普通に痛い。
「それはあんたの言葉でちゃんと言え」
「俺も大倶利伽羅に同意見だな。それを俺たちの口から言わすっつーのは卑怯だぜ」
ふた振りに最もな言葉を頂戴しながら、男は乾いた笑みを浮かべた。
覚悟を決めなければ、彼らに失礼だということはわかっている。
ならそれを態度で示さなければならない。自分の中で完結するのは何も考えていないのと同じだ。