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とうらぶっ☆続

第4章 束の間の休息



「底の方に俺の意識はあって、それでも身体が思うように動かない。あれは本当に、こわかったな」

その触れてる手が僅かに震えてふことに気づいて、男は目を伏せた。

「君に刀を向けたことを、はっきり覚えてる。君の皮膚を刀で切り裂いた感覚を覚えてる」

声がわずかに震える。
男は鶴丸国永の告白を傷む胸を押さえつけながら聞いていた。

「こわかったんだ、きみを傷つけた自分が、おそろしかった、おれは、あと少しできみを殺していたかもしれない、そう思うと…ふるえが止まらなくなる」

ふるえる、ふるえる。
彼の声、まつげ、てのひら、ひとみ。
ふるふると震えるそれらは、彼の激情を抑えてる反動なのだろうか。

「きみが生きていて、ほんとうによかった…っ」

声は限りなく涙に濡れていて、けれど彼は涙を流していなかった。

「つ、るまる…」

男は一度名前をつぶやいて、それから今度は自ら鶴丸国永にぎゅうと抱きつく。

「ばか、おれはそんな簡単にしなねーよ。おまえたちを置いて、しねねーよ」

ぼろり、と、睫毛の防波堤を越えて鶴丸国永の瞳から、ついに涙がこぼれた。

「こんな傷、おまえたちに比べればどってことない。生きていれば傷は治るんだ、だから、そんなに自分を責めるなよ」

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