第4章 束の間の休息
「まず、呪いのかかったものと完全にはかからなかったものとの違いは、分かるかい?」
首を振る。
「一つは、主の霊力の馴染み具合。山姥切くんを始めとする古参の刀は主と共にある期間が長かったこともあって、彼女の持っていた呪具では完全にかけるには至らなかった。二つ目は、石切丸さんを始めとする御神刀や神社暮らしが長かったもの。後は、和泉守くんや骨喰くん、それに今剣くん、呪いに薄っすら気づいていたものだね」
説明を受けて、男は骨喰藤四郎の方を見た。彼も気づいていたとは、思わなかったのだ。
「今言ったメンバーは、全て第一部隊、それから第二部隊に組まれ、出陣及び遠征に。そうすると、彼女にとって厄介なものはいなくなる。更に好都合だったのが、顕現したばかりの秋田くんがいることだった」
はっとして秋田藤四郎を見れば、彼は声もなく涙を流していた。
ここでようやく、秋田藤四郎が口にした言葉の意味を理解する。