第5章 友達以上は、何て言うの
すばるさんの表情も、その…ね、
渋「もう霄ちゃん、俺と姉ちゃん以外とは歌ったらあかん…」
っはぁーーーーと長く息をつく。
「ご、ごめんなさい…?」
村「ほんまええもん見たわぁ〜」
…………
ほな、俺とヨコではにかみオブリガード歌うわァ!とヨコを引っ張っていくヒナを見て笑っている、霄ちゃんの横顔を見つめる。
この、童顔の、女の子が、
あんな扇情的な、艶やかな表情をするなんて、
(聞いてないで、ほんま…)
煽られた。
ライヴでもないのに、体が熱くなった。
どんだけ俺を夢中にさせたら気ぃ済むん…
友達。
友達や。
そう抑え込もうとしても、
このそれ以上を求める気持ちは、
奥底に行ってはくれない。
「すばるさん?」
ずっと下を向いてる俺を気遣って、声をかけてくれる霄ちゃん。
言葉にしないで伝わればええのに。
キス、しそうになってたんやで、霄ちゃん。
気づいてないやろ?
抑えすぎて、触れた時に壊してしまいそうや。
こんな気持ち、なったことない。
「すばるさんも何か飲みます?あ、お酒はさっき呑んだし…お茶とか??」
…ええ子やなぁ…
すぐ真っ赤なって。しっかりしてるのに、時々抜けてて。
純粋で、何も、知らなさそうな…
「ん、大丈夫や。 楽しんどる?」
「!は、はい!!いつもカラオケ来た時はこうなんですか?」
「んーせやなぁ…今日はいつもより自分らの曲が多いかもな」
「…わたしに合わせてくれてる、とかじゃ、ないですよね…?」
申し訳なさそうに言う。
この子は、人に気を遣いすぎじゃなかろうか。
「今日が一回目やからや」
うん?と首を傾げる霄ちゃん。
「これからは、何度でも呼び出されるって覚悟しときや。ほんで、いろんな曲、歌え」
「こ、これからってことは…」
パァァっと表情が明るくなる。
「わたし、皆さんとお友達になれたんですかね??」
ニコニコと嬉しそうに微笑む霄ちゃん。
「そや。番号とかも交換したんやろ?…みんな、お友達やで」
みんな。
「んふふっ
一気にお友達が6人も増えちゃいました!」
…いつか、その枠から、出てやる。
友達じゃない、別の関係に。