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delivery start【KJ∞】

第5章 友達以上は、何て言うの


いつもは座って歌うが、丸山さんにつられて立つ。

…は、恥ずかしい…

~♪君の体温を頂戴
当たり前のこと知りたい♪~

……


安「浪花ちゃん!」

「うっ、はい」

安「全然音痴ちゃうやん!」
村「裏切られたわぁ~!」
錦「綺麗な声やったで」
横「俺らより上手やったで」
大「横山くんに言われても微妙やん?」
丸「おっしゃ!もう1曲入れてこ!」

口々に褒めてくださる。
「皆さん、心広すぎですよ…」
思わず拝んでしまう。

と、

「?!」

隣にいた渋谷さんにいきなり抱きつかれた。

「、な、なに、、ですか!」

渋「…めっちゃええ声やん」

ヒューヒューと周りからはやし立てる声がする。

「い、いや、そんな煽ててもなんもあげないですよ?」

…離れてください



わたしの心境を知ってか知らずか、バッと離れた渋谷さんは自分でも驚いたかのように目を丸くしていた。

渋「俺も歌う。」

え、な、生歌…!

錦「すばるくん、何歌うんー?」
渋谷さんの方に身を乗り出した錦戸さんの顔が私の前を遮る。そして密着度が高い。

渋「亮、近い」
と押し返す渋谷さん。そのおかげで元の位置に錦戸さんが戻る。

渋「霄ちゃん、誰が好き」

誰が好き?

横「その言い方じゃ意味わからんのとちゃう」

「?宇多田ヒカルさん」

女性アーティストで一番好きだけど、あそこまでのレベルの歌声で歌う人の歌をわたしなんかが歌ったらだめだ!と思いあまり積極的に歌わない。

横「わかったん?!浪花ちゃん!」

「え?」

渋「宇多田さんな、」

渋谷さんは宇多田ヒカルさんの、First loveをいれた。

大「すばるくん本気やん~」

本気?
いつも本気で歌ってらっしゃいますよね…?

曲が始まる前に、
渋「ほな、歌い終わったら、霄ちゃん、俺のことすばるって呼べや」
と有無を言わさないように言ったので思わずコクコクと頷いた。

…ん?すばるって呼べ??

は、え???

なんて困惑してると、渋谷さんの歌声が聴こえた。


「!!」

なに、これ…!

あまりの凄さに鳥肌が立つ。

渋谷さんの歌声に、惹き込まれる。







錦「んはぁーーーーーー!!!!すばるくん!!!すばるくん!!!!!」
パチパチというよりバチバチというような拍手をする錦戸さん。
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