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delivery start【KJ∞】

第5章 友達以上は、何て言うの


仕方がなく、わたしが先に進む。

そのままインターフォンを押すとすぐにドアが開いた。
「お、今度は霄ちゃんや」
目を大きくする渋谷さん。
「おいすばる!俺のときと全然リアクションちゃうやんけ!」
間に挟んで横山さんが抗議する。
「しゃーないやろ。俺が待ってたんは霄ちゃんや!」

え、横山さんと約束あったんじゃないの

「あ、あの、」
会話の邪魔をするのに申し訳ないと思いつつ声を上げた。
「わたし、服を返しに来ただけなので…」
サッと袋を差し出した。渋谷さんがそれを受け取ってすぐにお礼として買ったお菓子も差し出した。
「市販のお菓子なので…申し訳ないですけど…!」

渡すとすぐ離れて、「本当にありがとうございました!」
と頭を下げて、急いで横山さんの脇を抜け、エレベーターに向かう。

ぐっ、態度悪かったよね…!
でもなんか落ち着かなかったんだもん!!

ちょうど良く、エレベーターも8階に止まったままだった。
すぐに乗り込み1階を押す。

早く、早く…

…これで最後じゃ、ないよね…?
友達やめるとか言われるかな…
でも、なんか…

苦しい












「ほんまにすばる、何もしとらんやろな」
ヨコが霄ちゃんの後を見ながら聞いてくる。
「…なぁ、」
「ん?」
「壁ドンとかって、何かしたことに入るか?」



「いや、入るに決まっとるやろ」
「…セクハラ発言は」
「俺ら的にはすばるの通常運転やけどあの子にとったら、プライベートとして言われたら【何か】に入るんとちゃう??」

「ほな…した」
「ほらなぁ…ほんまからかうのも大概にしたれよ」
俺が知ってる子やないけどさぁ…とつぶやきながら勝手に部屋に入るヨコ。

玄関を締めながら、
「からかってるわけと…ちゃうかも、しらん」
聞こえてるか聞こえてないかくらいの声で言ったと思うたのに、ヨコには聞こえていたようだ。
ピタッと立ち止まり、こちらを振り返る。

「…どういう、ことやねん…」

話す、べきか…?
話していいのか…?

いや、

まだ、

俺だけの中で___________



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