第1章 わたしの日常
毎朝、9時に家を出て、バスと電車を使って学校に向かう。
高校の時に比べて遅くなったけどそれでも年中無休で眠い。
週5日制で、土日は休み。
でもバイト民にそんなものは関係ない。
運悪ければ一週間まるごと、「何もない休日」がないときがある。
それほどバイトで信頼されるようになったというのは嬉しいけど、きついなーと感じる時がないわけでもない。
宅配が自転車というのがまたきつさを増すが(坂道がすごい多い場所もあるのです…)、逆にこれがバイク等だったらわたしは使い物にならない。
免許を持っていないので…。
わたしの家庭はよく話に聞く家庭とは違い、親戚との交流はほとんどなく、親戚のどこも余裕がなく、お金の援助など一切ない。
唯一お年玉や祝い金を送ってくれていた母方のおばあちゃんも働いてはいるが、一緒に暮らしていた方が病気になったりといろいろ忙しくなり、それもなくなった。
両親は子育ても何もかも、自分たちの力だけで頑張った。
共働きしないと暮らしていけない。でも働いてる間は、せいぜい仲良くなったお隣さんとわたしたち子供を一緒に遊ばせてもらうなどをしてなんとかしのいできていた。
それでも親戚がいる人たちに比べたら苦労したであろう。
今は念願の自分たちの家を建て、そこで家族4人と2羽で暮らしている。
2羽というのはうさぎである。
ホーランドロップイヤーという、いわゆるタレ耳うさぎである。
すごく可愛い。ビスケットとエイト。
ビスケットの方が年上うさぎで、家に来た時からおっさん顔のオス。
エイトは姉の職先で売れ残っていた子で、
実は名前の通り、生まれ日が8月8日だったのだ!
姉は引き取る前から「エイト」と呼んで可愛がっていた。