第1章 わたしの日常
わたし、浪花霄はトリマーになるため、専門学校に通っている。
高校までは普通の進学校に通い、卒業後、前もって決めていた専門学校に進み、一年が経つ。
実は姉もトリマーだったりする。
わたしたち姉妹は周りが気持ち悪がるレベルで仲が良く、小さい頃、「将来、ペットショップで働きたいね」という夢を2人で見ていた。
その夢を叶えるがため、わたしもトリマーになろうと思ったのだ。
…というのは最近思い始めた。
本当は。本当は、イラストレーターとか漫画家になりたかった。
絵を描くのが昔から好きで。
今も好き。
でも、現実主義というのか、「わたしのようなレベルはどこにでもいる。そんな中で生計をたてていけるのか」その考えが邪魔をして、ひとまず、思い浮かんだトリマーになろうとしている。
その過程で思い出した昔の夢。
今では、少人数なこともあって、いろんな問題犬をまかされるようになった。
そんなわたしは学校の近くで見つけた某カレー屋のチェーン店で働いている。
入学して、ことごとくコンビニアルバイトに落ちていたわたしは、藁にもすがる思いでそのお店の面接を受けた。
やっとのことで合格。
何個も落ちていたので、働けるとなったとき、「こりゃぁ頑張るっきゃない!」と気合を入れたものだ。
チェーン店だが、そこの店舗は大通りに面していて、敷地が小さい。そのため、駐車場もなく、都会の方なので小路等にも入れるよう、宅配は自転車である。
(最初はびっくりした!)
人にも恵まれ、同い年の男の子が2人、私の教育係をしてくれた年上の男の人、わたしよりあとに入ってきた一つ下の男の子と女の子。
それと責任者の強面しかし笑うと可愛いおじさん(年齢不詳)、あと、週一くらいしか入らない謎の大学4年生の男の人…
それが今のメンバー。機会があれば名前出しますね!