第3章 新たな日常
もう5月も終わろうとしている。
つい最近、2年生になった気がしてたのに…
しかも人数が少ないから、ほかの学校ではありえないとか言われる、1日で2頭当たったりしてもうくたくた。
生徒が仕上げまでしてまたほかの犬もするということはなかなかないらしい。
少人数ならでは、かもしれない。
その分腕が上がるはず。
先生達にも上手くなったと褒められる。
自分ではまだそんな気はしてないけど…褒められるのはとても嬉しいことだ。
バイトはというと、変わらず、週に4~5回はシフトが入ってるし、
土日の休みもない。
まだバイトを始めて、1年も経ってないが、そんなアルバイトさんでもこれだけシフトに入れ込むのは、ここでは普通らしい。
ちょっと前から、入り始めた時よりも、休みの日で朝からのシフトが多くなった。
それだけわたしの動きも良くなってきたのかな、と少し自惚れてみると、
井浦くんや緋苅くんも賛同してくれる。
そして、あの人との関係はというと…
「霄ちゃーーーーん!今日は遅かったやーん?w」
「ふはぁーーーー…!
きょ、今日は宅配の件数多くて!」
もうすごく親しく接してくれるようになった。
実はあれから、週1くらいで宅配を頼んでくれるようになっていた。
朝からシフトが入ってる時もあるんですよーと話すと、
昼頃に宅配を頼んでくるようにもなった。
わたしが電話に出た時は
『お、霄ちゃんやんな〜?久しぶりやんか元気しとったかー?』と注文そっちのけで話してくれたりする。
ちなみにわたしはこんな風に回数を積んだ今でも心臓が鳴り止まない。
「もー腹空きすぎて来た瞬間霄ちゃん食うたろか思うてたわ」
「?!」
「…冗談やってwww」
自分でも顔に熱が集まるのがわかる。
そんな顔を見て
ほんま面白い反応するわ〜、なんて笑ってる。
わたしを殺す気ですか、渋谷さん