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第8章 あなたと




誕生日からいくらか日にちが経ち、クリスマス。


わたしの通う学校にもようやく冬休みが訪れた。



「今日はライヴ、ないんでしょ?」

学校の大掃除が終わり、明日から冬休み。
クリスマスという感じがしないけど、街はイルミネーションのピークのようだ。


「うん。でも昨日とー…あと明日からもまたライヴがあって休みなの今日だけだから。」

三河と例のカフェで話す。

「やっぱり少しでも休んでもらいたいし…クリスマスってなんか特別じゃん?そんな日に会うのも、ねえ…?」


特別な人と過ごすとか、あるじゃん?


「休んでもらいたいのはまぁわかるけど…特別な人じゃん」

珈琲を飲めない三河がココアを飲みながら言う。


「、まぁ、わたし的にはすばるさん、Sさん、特別だけど…向こうは、」


「向こうもでしょうよ」

呆れたような言い方をされた。


「いやいやいやいやいや。ありえないわぁ」

言いながらケーキを口に運ぶ。


「…そういうことにしときましょー…。あっ、思い出したの?」


「それが…全然」

思い出した?って言うのは、あの『眠ってる間に言ったこと』

わたしのマフラーを賭けてるアレ。


あの日以来考えてるけど全然分かんない。思い出すも何も寝てたんなら分かるはずもない気がする。

「それ、癖になってるよ」

「え?」

三河が指をさす。

その指先を辿ると…

「あ、」

気づけば、あの日もらった、太陽のネックレスを触っていた。


「それつけるようになってから結構触ってるよ」


うそ…無意識だった…


「でもそれってあれだよね。所有印みたい。」


「所有印??」

ネックレスだよ?


「だって…Sさんのメンバーカラーって赤でしょ?誕生日にその赤がついたネックレスだよ?っぽくない??」


「っ!」

そ、その考えはなかった…!

ネックレスってなんか、ね、首輪とも取れなくもない!


「いや、首輪とまでは言わないけどさ」

鼻で三河が笑う。


「てか顔真っ赤すぎてこっちが照れるわ!」

バッ、と頬をおさえる。

「三河のせいでしょおっ」


所有印なんて言うから!






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