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第7章 隠しきれない。




「わああああああああ!!!!!!!」


中に入っていた小箱を開くと、
細身のブレスレットが入っていた。

シルバーのそのブレスレットには何個か小さい飾りもついていて、その飾りの部分に水色の石が埋め込んである。


「12月の石って綺麗って感じしないからブルートパーズにした。小さいものだけど、雫のときも区切りとしてあのネックレス贈ったから…」


普段のお父さんからしたらとても高価。
でも姉の時もピンクダイヤの埋め込まれたネックレスを贈っている。



「、ありがとう…!今日、つけてく!」


失くさないように気をつけなきゃ。




裕福じゃないからこそ、こういうとき、
有難味が増す。


どんなに幸せなことか。







「あ、霄!準備、しないと!」


「ギリギリになって慌てるよりいいから!」

と、家族に急かされ、
大好きな、あの人と会うため、
準備を始める。

















「、あふ…」

霄ちゃんの家に向かう途中、つい、あくびが出てしまった。


…これ、霄ちゃんの前ではせえへんよう気ぃつけなやな…
失礼やし心配かけてまうわ


でも、
そんなことを考えるだけで舞い上がる。

好きな子に心配されるなんて、
なんて嬉しいことだろう、と。


今まで感じたこともないような感覚。




付き合いは今までだってあった。

けど、この感覚は初めてかもしれない。

恋愛とはこういうものだったのか、と思う。

霄ちゃんを見てると、こっちまで初々しい気持ちになる。

…邪な気持ちについては初々しいとは言えへんけど。






それに、と思う。


(あくびやなんてしてる場合じゃないねん。)


なんといっても、
霄ちゃんと「呑む」のだ。


あの子の性格やらなんやらを鑑みて、
多分酒を飲んだことがない。



飲んだらどうなるんやろ…

もし、悪酔いで迫られたら。




俺はちゃんと、
年上として、


霄ちゃんを介抱できるやろか?












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