第7章 隠しきれない。
朝起きると、
すばるさんから「おめでとう」とお祝いメッセージが来ていた。
ちなみに、昨日は寝る前に、姉が部屋に飛び込んできて「おめでとー!!!」と大声で言って去って行った。
「浪花おめでとー」
学校に行くと三河がお祝いしてくれて、
それに気づいた先生も「おめでとう」と言ってくれる。
ぶっちゃけ、20歳になった気がしてない。
けど、すばるさんと呑みに行くという予定がわたしを舞い上がらせる。
…ちゃんと、しっかり、気持ち隠せるようにしとかないと。
でもお酒飲んだことないから、
酔った時、自分がどうなるかがわからない。
「ただいま〜」
いつもより気持ち急いで帰宅する。
待ち合わせ、というかすばるさんがお迎えに来てくれるのは20時頃となっている。
呑むにはちょうどいい時間かも。
でも大丈夫かなぁ…ホテル入りとか、あるでしょ?
「霄〜先にプレゼント渡すね」
誕生日は毎年、家族と過ごしていたが、今年はわたしがすばるさんと呑みに行くので、ケーキ自体は明日にしようという話になっている。
けどプレゼントは渡したくてしょうがないらしく、家族がそわそわしだす。
「はい。お母さんとお姉ちゃんから!」
2人がプレゼントを差し出してくる。
開けて開けて、と急かされ、ごそごそと中身を取り出す。
「わっ、」
中には白と黒でまとめたお洒落なバッグが入っていた。
肩掛けにもリュックにもなるタイプのようだ。
「こういう大人っぽいの、持ってなかったでしょ?」
確かに…いっぱい荷物入れちゃう派なので、どっちかっていうと大きめのリュックとかばかりだった。
「今日、これ使いなよ」
ふふっと姉が笑う。
「大人っぽくなった姿を見せるチャンスよ!」
お母さんが張り切る。
いや、お母さんが張り切ってどうするの
「お父さんからはこれだ」
そろそろとお父さんが近づいてくる。
差し出されたおしゃれな紙袋を見ると、
何やら見たことのある宝石店のロゴ。
もしかして、
「開けてみて」
お姉ちゃんとお母さんもソワソワしだす。