第7章 隠しきれない。
「恋愛的意味に決まってるでしょ〜?」
「い、やいや、ないでしょ。
だって年齢すごいあいてるし…っていうかそれ以前に住んでる世界が、違うじゃん…?」
そこがいちばん、わたしの中で
気持ちを抑えるに足る理由だ。
まぁ、そもそもわたしが好かれること自体ない。
藤村くんには感謝もしてるけど
わたしを好きになるなんて相当の物好きな人だもん。
だから、ない。
「世界が違うって言っても
【友達】にはなってるじゃん」
「っ!」
た、確かに…
既に、奇跡は起きている。
奇跡のようなこの世界で起こること、すべてが奇跡。
そんな歌詞を聴いたことがある。
でも、そんなん言っても当たり前のような毎日に奇跡なんて感じないじゃない。
でも、いつ、どこで起ころうと、奇跡。
全てが奇跡
なのかもしれない。
あとは、自分がどう行動するか…?
行動してもいいの?
「三河が、鋭い」
「いつも抜けてるみたいな言い方やめてもらっていいですかね」
もう
何をしたらいいのか、
どうしたらいいかわからない。
なんてたって、どうわたしたちが解釈したところで、
現実問題、世間様の目があるんだもの。
「いだだだだだ」
「せんせーーーいwww浪花がうるさーーーいwww」
「うるさいとか言うなぁたたたっ」
爪切りとか嫌がる子を少し押さえただけでも足とか当たって痛い。
「霄ちゃん大丈夫?」
先生が気遣ってくれてる。
多分朝のことも気にしてる。
ちなみにあの女はというと、いつも遅刻してくる。
しかも平然と。
一切話してない。話すこともなければ話すだけでも馬鹿が移るとかクズに成り下がるとか考えてる。
てか、いないことにしてる。
「…もしかして、今日バイト?」
「…はい」
えへへ…と力なく笑う。
「休ませてもらいなよお!!」
「いやぁ〜昨日も急遽代わってもらったし…
そんなにバイト中、アザに当たったりとかないかなーなんて…」
みんないつもキツキツにシフト入ってるし…入ってない人はこういう時でも代われないって言うし…
「えっ!でも!
てかそれだと見えるでしょ?!」
と、先生が指をさす。
「うっ、気になりますかねぇ?」