第7章 鶴丸夢01
『きみはなかなか驚いてくれないなぁ。今日のは結構仕込みに時間かかったんだが…。』
『それは……ご苦労様としか言いようがないけど…ねぇ、鶴丸はどうしてそんなに私を驚かせたいの?』
…あぁ、これは夢だ。
だってこの会話は私が審神者になって少しした頃にしたものだもの。
……鶴丸は私の本丸に顕現してから、感情の起伏に乏しい私を驚かせようと日々色んなことをしてきて、だけど全くと言っていいほど驚かなかった私に言ったのがさっきの言葉だった。
『俺は、人生には驚きが必要だと思ってるからな。無感動に、ただ予想し得る出来事だけの毎日を過ごすんじゃつまらんし、心は死んでくだけだ。……そんなの生きていないのと同じだと思わないか?』
『……その鶴丸の理論だと私は生きてないことになるね。』
『だからきみを驚かそうとしてるんだ。きみは今、俺達の主としてここで生きている。俺はきみに生きていることを楽しんで欲しいんだ。……色んな表情、させてみせるから覚悟しとけよ?』