第4章 明石夢01
やけど………とりあえず今日はこのまま寝かせとこか。
睡眠時間削って仕事してたんがよぉ分かるくらい、目の下のクマが酷い。
折角の別嬪さんが台無しやなぁと見ていたら柚希はんが小さく呻いて身動ぎした。
起きたんかな、と思ったけどそうやなくて寒かったらしく、体を縮こませだけやった。
……………少し悩んで、上着を脱ぐ。
「さぶっ!………このタンクトップっちゅーもんは冬場に着てるもんや無いんやなぁ…。」
今度袖の長いシャツ買うてもらおと心ん中で決めて、柚希はんの肩にそっと上着をかけた。
少しあったかくなったみたいで柚希はんの肩から力が抜けたんが分かってほっとする。
「…自分が上着貸してあげたんやから、風邪なんて引かんといてくださいね。」
それから近くにあった要らなそうな紙に内番終わりました、と書いてから…………忙しいんやったら自分、これでも近侍なんで少しくらいは手伝うんで言うてや、と書き足した。
これでえぇか、と目につきやすい所に置いて……急に体に震えがくる。
「っ、駄目や……ほんまに寒いわ………もう部屋帰ろ…。」
最後に柚希はんの頭をそっと撫でる。
「いつも忙しくしてるんやから…今だけでも、ゆっくり休んでな。」