第3章 大倶利伽羅夢01
私は一瞬固まった後、回れ右して走り出し、自分の部屋に駆け込んだ。
途中で叫び声が聞こえた気がしたけど、それどころじゃない。
顔は熱いしまたまた頭は大混乱だし、というか何なんだあの大倶利伽羅のデレ方は…!!
頭なんか初めて撫でられたよ?!
思い出してごろごろばたばた畳の上を転がる。
………でもこんなことしてる場合じゃない…!
起き上がって鏡台の前に行って、転がったせいでぐしゃぐしゃになっちゃった髪の毛を直して、着物の襟を整えて、袴の紐の結びを直して………うん、よし。
大倶利伽羅が来たら笑顔で迎えて…それから、今度こそ私も好きだよって言うんだ。