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【東京喰種】Repeat

第2章 真実。


「どう?思い出した?」
そうだ、俺は女だった。
ハトは女の葛西渚を探している。
だから俺は男として、先崎渚として生きてきた。
最後に託されたもの。
それがそうだった。
あの時の俺にはわからなかったが、今となってはわかる。
母さんは俺を見つけられないよう時間稼ぎの為にハトと戦い、死んだ。
父さんも死んだんだ。
それで俺は言われた中学校に入り、母さんの知り合いのもと高校にも入った。
男として生きる為、体にも気を付けた。
女だとバレないよう、筋肉をつけ、身長を伸ばした。
今じゃ176cm。
声も男と変わらず、女からコクられる事も多かった。
そのせいで自分が女だった事を忘れていたんだ。
「あぁ、思い出した。」
「なら良かった。
 随分と災難な過去だったのね」
「・・・別に。」
この女俺の辛さがわかるものか。
余計な同情はうざいだけだ。
例え俺の過去を知った所で辛さを知った訳じゃない。
なのに同情してくるのがうざくてしつこい。
母さんと父さんがどれだけ俺の為にしてくれたか。
「それで食糧確保の為に廃墟ビルに行ったが先客がいた、と。」
うぜぇ。
なんでいちいち口に出してくんだ。
「だったらなんだ。
 てめーに関係ねーだろ。」
「あらあら、女の子なんだから言葉遣いには気を付けなきゃ♪」
「るっせーな!
 俺は男なんだよ。これからもずっとな!」
俺は男。先崎渚。
こいつは何が言いたいんだ。
「でもそんな華奢な体だもの、一人で食糧とるのは簡単じゃないでしょ。
 来なさいよ、あたし達のチームへ」
「はぁ?」
「ここは快適よ?食糧は金木君とか月山に頼めば良いし♪」
金木って、さっきの白髪の奴か。
でも他人は他人だ。
いくら今回助けてもらったからって信頼なんざ。
「俺は良い。」
「じゃあ質問ね。
 死ぬのと生きるの、どっちが良い?」
死ぬのと生きる?
さっきからこいつは何を聞いてくるんだ。
「そりゃあ生きるのに決まってるだろ。
 じゃないと母さんと父さんの仇をとれない」
「だーったらここに残りなさい。
 あんた一人で生きていける程この世界は簡単に作られてない」
さっきから知ったような口聞きやがって。
「てめーに関係な「それに金木君となら仇を取れるかもよ」
金木となら?
ふざけるな。俺は一人で戦う。
「鳩はどんどん強くなっていってる。
 ”眼帯の喰種”って知ってる?」
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